あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
戻って来ると、小夜子さんは言った。

「分かりました。」

私は合図をする。

「そう言えば、作業服が届いていたから倉庫に入れておいたわよ。」

小夜子さんは倉庫の方をチラリと見た。

そして伝票を私に渡す。

年に1回、男性社員に支給される作業服が宅急便で届いたようだ。

私が席を外した時に、小夜子さんが受け取ってくれたようだ。

「ありがとうございます、小夜子さん。」

それなら小夜子さんが帰る前に、サイズをチェックして来よう。

その後、ゆっくり一人一人に配ろう。

「じゃあ、小夜子さんが居る間に中身のチェックだけして来ますね。」

私は小夜子さんにそう声をかけると、廊下に出て事務所の横にある倉庫に入った。

さすがに倉庫だけあって薄暗い。

入口で電気をつけると、それらしい段ボールが入口の近い方にあった。
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