あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「ん?どうもしないよ。俺のお守り。」

憎らしいぐらいさわやかな笑顔で、佐川さんは私に顔を寄せた。

佐川さんの額と私の額がこつんとぶつかる。

「俺のモノにならない?」

至近距離で、そんな事を言われても…。

私はびっくりして、声も出ない。

佐川さんは私に一瞬のキスをした。

「昨日は大変だったんだぞ。俺の胸の中で眠ってしまってしまうのはともかく、俺の服をぎゅっと握ったままだったから、まずそれを外すのに時間がかかって。それから着替えさせて、ベッドまで運んで…。」

「えっ?」

私は思わず布団の中の自分の格好を確かめる。

佐川さんの物であろう長袖のTシャツを着ている。

下にズボンは履いていないが、男の人の長めのTシャツにその必要はないようだ。

「見ましたか?」

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