あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私はぎろりと佐川さんを睨む。

「もちろん。」

佐川さんは笑っている。

私は顔が真っ赤になっているだろう。

どうしよう、私。

オロオロしている私に佐川さんは言った。

「だから、俺のモノにならない?」

佐川さんは私の顔を覗きこんだ。

「裸も見たし、寝顔も俺の手にある。実は萌香には選択権がないように感じない?」

いかにも得意そうに、そんな事を言う佐川さん。

「まあ、考えておいてよ。そろそろ用意しないと。萌香は一度家に帰るんだろう?」

会社に行かなきゃ!

やっと私の頭の中は回転を始めたようだ。

「多分すぐここを出れば、間に合うぞ。」

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