あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
少し歩いて大きな通りに出ると、人が同じ方向に向かって歩いている。
すぐにその先が駅だと分かった。
私は電車に乗って、家へ向かう。
電車に揺られながら、昨日から自分の身に起こった事を思い返してみる。
一体私に何が起こっているんだろう。
考えれば考えるほど、佐川さんから逃れられないような気がするのは、考えすぎなのだろうか。
でもそれがそんなに嫌に感じない自分も居る。
どうしたんだろう、佐川さん…。
そして私…。
私は2駅乗って、自分のアパートの最寄りの駅で下車する。
うん、この時間なら朝の支度に30分ぐらい取れそうだ。
何とかいつもと同じ時間の電車に乗れる目途が立って、私は一安心する。
それにしても…。
この後、佐川さんと会社で必ず顔を合わせなくてはならない。