あなたに包まれて～私を分かってくれる人～

私はくすくすと笑った。

「今でも仕事に熱心だから、佐川さんはいろいろ意見をぶつけているよ。でも大人になったから、自分の考えている事を上手に上司にぶつけるようになったみたいだけどね。」

小夜子さんも笑う。

そして小夜子さんはあれ…というような顔をした。

「そう言えば…、佐川さんの相原さんに対するそんな様子は見たことないわね。」

「えっ？」

私の笑いは止まった。

「今でも結構後輩にはしっかりぶつかっているのよ、佐川さん。」

そう言えば、伊藤さんもそんな事を言っていたような気がする。

「私は、佐川さんに不器用でどんくさく映っているようですから、対等に扱ってもらってないんですよ。」

私は昨日の佐川さんとの会話を思い返す。

「そんなの関係ないわよ。ましては不器用でどんくさかったら、佐川さんに余計に標的にされそうなもんだけど。」

小夜子さんは不思議そうに私の顔を見る。