あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
その段ボールを開けて、真新しい作業服のサイズを確認する。
「えっと…、Мが5枚、Lが…。」
つい一人になると、ぶつぶつ言いながら仕事をしてしまう。
「よし、伝票通りだ。」
私は顔を上げると、段ボールのまま引きずって、倉庫から私の机のそばに運んだ。
後で営業課と工務課に分けなきゃ。
「そろそろ私、失礼するわね。」
小夜子さんが帰り支度を終えていた。
私が倉庫から戻ってくるのを待っていてくれたようだ。
「お疲れ様でした。」
小夜子さんは私ににっこり笑って帰って行った。
私も作業を中断すると、お茶を入れて自分の机に座る。
そして家で作ってきたおにぎりを2つ出す。
午前中で小夜子さんが帰ってしまうため、私は事務所でいつも一人の昼食だ。