あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
私と小夜子さんの声が重なった。

「今から出掛けられますか?」

朝一番の社長のお茶は小夜子さんが入れてくれる。

「ああ、今から佐川と出掛けてくる。後は頼むよ。」

そう言って、社長は荷物を持つと事務所を出て行った。

「珍しいわね。山崎さん以外の工務課の人と出掛けるなんて。」

小夜子さんは社長の後姿を見送りながら言った。

「佐川さんの引継ぎの関係でしょうか?」

私はパソコンから、小夜子さんの顔に目線を移しながら言った。

「そうね。佐川さんは結構現場を抱えているものね。」

そこで私達は会話を辞めて、それぞれの仕事に集中していった。
















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