あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

「ちょっと小耳に挟んだからさ。じゃあ、行ってくる。」

社長は手を挙げて、出て行った。

「行ってらっしゃい。」

一応にこやかに微笑んで、社長を送り出した私。

「社長は一体何を言っているんだろう…。」

私はポツリと言った。

そこに社長が出て行くのを待っていたかのように入って来たのは…。

佐川さんだった。

「あっ~。」

思わず佐川さんの顔を見て、声を出してしまった私。

「どうした?」

すごく驚いたような顔をして、佐川さんが私を見る。

「佐川さん、社長に何か言いました?」

私は佐川さんの様子を伺う。

「ん?何で?」
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