あなたに包まれて~私を分かってくれる人~

今はダメ…!

心の中で叫ぶ。

「佐川さん…。」

私は思わず佐川さんの前に立ちふさがった。

「何?」

そんな私の様子に佐川さんは不可解な顔をしている。

「今日は朝時間がなかったし、しかも準備で部屋が…。」

私は必死になって佐川さんを止める。

「萌香…。」

私は佐川さんの胸にそのまま包み込まれる。

「あの…、佐川さん?」

この心地の良い佐川さんの胸に納まるのは何度目なんだろう。

さすがの私も最初の時みたいに慌てなくなった…かな?

「どんな部屋でも驚かないから中に入れて。」

ボソッとつぶやく佐川さん。
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