あなたに包まれて~私を分かってくれる人~
「はい?」
私は佐川さんを見上げる。
その隙に佐川さんは私の左肩に自分の左手を添えると、強引に部屋に入っていく。
「へぇ~。ここが萌香の部屋か。」
服が散乱している部屋を佐川さんはぐるっと見渡した。
「荷物は?」
中の様子は全く気にならないような雰囲気の佐川さん。
「まだ途中で…。」
すると佐川さんはゆっくりとうなずいた。
「明日は金曜日だから…、この週末分の荷物をまとめろ。」
なんで荷物が増えるの?
私はきょとんとしている。
佐川さんは私を見て、クスリと笑う。
「とにかく日曜日の夜にここに送ってくる。それまで俺の部屋で過ごせるだけの用意をしろ。」