初恋マネジメント
「……でもねえ、カレーまん一個って……」
しょぼくない? せめて二個じゃない?
「えーっ、どんだけ図々しいんすか紗奈先輩。……なんかイメージと違う」
「何それ、どんなんよ、あたしのイメージって」
「んーっと、クールビューティーって感じで、カッコよくて、大人って感じで、結構うちの部にも憧れてるやついますよ。もっと冷たい人だと思ってました」
「失礼だな」
……確かに、親譲りの派手顔のせいで、キツイイメージは持たれがちだけど。
第一印象が「怖い」って言われるのは慣れっこだ。
自分じゃそんなことないとは思ってるんだけどね、どうなんだろうね。
……って、世間話をするためにカレーまん奢られてあげたわけじゃないっつーの。
「……それで、協力って何すればいいのよ。……そもそもあたし、あんたの好きな子知らないんだけど」
今日一日考えてみたけれど、相談に乗るって言ったってあたしの恋は成就していないし、力になれることはない気がする。
三橋くんを本気にさせた女の子っていったい誰なんだろう。
一年生の女子なんて、バド部の子たちくらいしか知らないし。