初恋マネジメント





「……でもねえ、カレーまん一個って……」




しょぼくない? せめて二個じゃない?




「えーっ、どんだけ図々しいんすか紗奈先輩。……なんかイメージと違う」


「何それ、どんなんよ、あたしのイメージって」


「んーっと、クールビューティーって感じで、カッコよくて、大人って感じで、結構うちの部にも憧れてるやついますよ。もっと冷たい人だと思ってました」


「失礼だな」




……確かに、親譲りの派手顔のせいで、キツイイメージは持たれがちだけど。


第一印象が「怖い」って言われるのは慣れっこだ。


自分じゃそんなことないとは思ってるんだけどね、どうなんだろうね。



……って、世間話をするためにカレーまん奢られてあげたわけじゃないっつーの。




「……それで、協力って何すればいいのよ。……そもそもあたし、あんたの好きな子知らないんだけど」




今日一日考えてみたけれど、相談に乗るって言ったってあたしの恋は成就していないし、力になれることはない気がする。



三橋くんを本気にさせた女の子っていったい誰なんだろう。


一年生の女子なんて、バド部の子たちくらいしか知らないし。




< 14 / 69 >

この作品をシェア

pagetop