初恋マネジメント
ムカつく半面、よく恥ずかしげもなく言えるな、とちょっと感心してしまった。
どんだけ怖いもの知らずよ。
運動部の先輩後輩って言ったら、もっとギスギスしてるもんなんじゃないのか。
……いや、健太がキャプテンである時点でそれはないか。
「ね、協力してください紗奈先輩」
「……む、無理だよ! あたしは……健太のこと応援してるし、あいつの邪魔するようなことできない」
無理だ、無理。
三橋くんに協力するってことは、つまり、健太を裏切るってことでしょ?
できるわけないじゃんか。
そんなことできたなら、とっくにあたしは健太に告白してる。
「カレーまん奢らせといてそれはなくないっすか!?」
「逆によくカレーまんだけでそんな無理な欲求飲ませようとしてたね!?」
「じゃー肉まんも追加するんで!」
「いや、いらな……ぶへっ」
無理やり口の中に三橋くんの肉まんを突っ込まれた。
それあんたの食べかけでしょうが……!
怒鳴りたいのにできずに、むせ返ったままなんとかそれを喉に通す。おのれ三橋……っ!