初恋マネジメント
……これが、噂に聞く女子なら誰もが一度は憧れるという壁ドンってやつか……!?
しかもこんなイケメンにされちゃうなんてあたし、すごくラッキーなのかもしれない。
なんて冷静に考えるも、
「……お願い、先輩」
あたしの耳元に顔を寄せた三橋くんの吐息が、耳朶に直にかかってクラクラした。
こっ、こんなの、高一男子の色気じゃないだろ……!
何も言えなくなったあたしに対して、三橋くんはもう一度、「お願い」なんて甘い声を吐く。
すっごいエロい。
彼氏いない歴イコール年齢のあたしには刺激が強すぎる。
「ちょっ、」
「先輩、俺、本気で好きなんすよ。絶対諦めらんない」
おやつをおねだりする子犬みたいに純な瞳をこちらに向けた彼は、そっと伸ばした左手であたしの頬に触れた。
そこに帯びた熱が、じんわりと顔全体に広がって行く感じがして焦る。
ちょっ、ヤバいだろこれは! こっちは男に免疫ないんだっつーのに!