初恋マネジメント
「そんな落ち込むことないって! 大丈夫大丈夫、あたしもサポートしてあげるから……!」
だから思わず、彼の手を取って熱く言ってしまう。
あたしの片想いは報われないと自覚しきっているせいか、本気で頑張っている人を見ると応援したくなってしまう。
自分と三橋くんを重ねて、まんまと感情移入してしまったらしい。
私ってなんて単純。そして愚か。
「紗奈先輩……」
「片想いならあたし、あんたの言うようにベテランだし。アドバイスはできないかもだけど、話聞くくらいなら出来るよ!」
自分は根っからのマネージャー気質なのかもしれないな、なんて思いながらも、へらっと笑う。
顔を上げた三橋くんは嬉しそうに顔を綻ばせ、あたしの手を強く握り返してきた。
健太には悪いけど、あたしにできる範囲で、三橋くんのことも応援してあげようと思う。
だってせっかく頼ってきてくれたんだし。
「そうですよね、じゃあ明日の作戦立てましょう先輩!」
「え、さくせ……?」
その後きっちり1時間家に帰してもらえなかったあたしは、帰宅後早速面倒を請け負ってしまったことを後悔したのだった。