初恋マネジメント
「ライン見た? 今日部活中止だって」
「えっ、マジすか!」
「ちょっと何喜んでんの」
「あ、すみません」
ワッと沸いた1年たちにツッコめば、小さな笑いが起きた。
たまの休みっていうのは嬉しいものだ。みんな仲が良くて楽しい部活って、そうそうないと思う。
……正直あたしも、今日は練習するような気分じゃなかったし。
「それじゃ紗奈先輩、お疲れっした」
「うんお疲れー」
よし、任務完了。あたしも今日は早く帰って、そんで、まあ色々反省しようじゃないか。よし!
と、嬉々として帰っていく後輩たちを見送って何気なく振り返れば、こっちをじっと見つめている人影に気付いて驚く。
「あ、紗奈先輩やっと気付いてくれた!」
「……み、三橋くん……!」
今日は会いたくなかったんだけどな……!
あたしの憂いの原因であり、張本人。であることを自覚していない彼は、相変わらずへらりと笑ってこっちに近付いてきた。