初恋マネジメント





なんて考えて妙に緊張してくるけれど、テーブルの上で組んだ腕に小さい頭を乗せた三橋くんがこちらをじっと見ていたことに気付いて、小さく咳払いした。



……なんだろう。顔になんかついてるかな。



ていうか、なんかそんな風に見上げられるとちょっと可愛いとか思ってしまう。これが世に言う上目遣いってやつ……!


てっきり女子が使うに限った武器なのだと思い込んでいたけれど、イケメンがやると破壊力満点ですね。




「……なに?」


「いやー、……紗奈先輩なら気兼ねなく誘えるのになーって思ってただけです」


「……悪かったな! 簡単な女でっ!」


「えー、そんな意味じゃないっすよー」




それは分かるけど。



気持ちがある相手と、そうじゃない相手を遊びに誘うためにする心の準備が段違いの難しさであるってことだろう。



断られたら嫌だし、もう立ち直れなくなるよね。


……まあ、三橋くんは今までそんな思いしたことなかったのだろうけど。


つくづくムカつく奴。



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