初恋マネジメント
「……健太が傷つくの分かってて、敢えてあたしが口出せることじゃないもん」
「えっ、でも、……黙ってるのもひどくないですか?」
「うんそうだね。……だからあたしが優花ちゃんと話す。どういうつもりで健太と付き合ってるのかきちんと聞いてくる。……だから三橋くんも黙ってて、お願い」
優花ちゃんが真剣な気持ちじゃないというのなら、そりゃ、健太にも言うつもりだけど。
もし彼女が心を改めてくれるなら、それはそれでいいことだと思うんだ。
「……紗奈先輩がそう言うなら言いませんけど……、人生損してますよ。せっかく相手を蹴落とすチャンスなのに」
「誰もかれもみんな三橋くんみたいに恋愛にがっついてるわけじゃないの」
「ふーん、そういう恋愛の仕方もあるんすね」
「そもそもあたしたち、こんなに考え方違うのによく相談しようと思ったよね、ほんと」
笑えば、ずんっと左肩だけに沈み込んでくるような重みを感じる。
びっくりして顔を向ければ、あたしの肩に頭を預けた三橋くんがよしかかってきていて、いつの間にかお腹にまで腕を回されていた。