初恋マネジメント
「そんなん見てればわかりますよ。キャプテンと話してる紗奈先輩、明らかに恋するオトメって感じでしたもん」
「……いや、」
だってあたしたち、話すのは今日が初めてだよね!?
どんだけ勘がいいんだよ。鋭すぎる。さすがチャラ男。
呆然としていれば、クスリと意地悪く笑った三橋くんが、くるりとあたしに背を向けた。
「……キャプテンに言っちゃおっかな、このこと」
「ちょっと待てお前コラ」
ぼそりと呟いた彼の肩を思い切りつかんで思わず引き止める。
そうすれば、体はそのまま、頭だけで振り返った三橋くんが至極嬉しそうに微笑んだ。
「じゃあ協力してくれますよね? 先輩」
――今日は厄日なのかもしれない。
住吉(スミヨシ)紗奈、17歳。
泣きそう。