枯れた白薔薇がもう1℃の恋をする
『』
幸子の夫、勝彦。
享年65歳 死因は脳出血
あまりにも当然の別れでした。
「お母さん」
「・・・・。」
幸子はまるで抜け殻のように遺影のまえに座っていた。
娘の問いかけにも答えないまま
ただ、ただ、愛した夫の遺影をみつめていた。
「っお「真未。やめな」、真奈姉」
それでも母を呼ぼうとする娘に、姉である真奈が止めにはいった。
末の真未は姉の言葉と目に促されるまま、
わずかの光の通り道であるふすまをしめる、仏壇の間に母を一人のこし
二女がまつ居間に向かった。
「・・・母さん・・・どう?」
「・・・それ、答えなきゃだめ?」
「・・・」
末の様子をみて二女である真子はフーっとため息をもらす。
「真子。あんたね・・・」
「まって、真奈姉。今は真未を叱ったってしょうがないよ」
「・・・。」
「暗い中ずっとひとりでいる母親の姿をみたら
声をかけてしまうだろうし・・・」
「・・・」
「」