エンディングのあとで
メルダはクルール王国の城下町に住む、宿屋の娘だ。
勇者様とは、メルダの幼馴染のグランの事。
グランは同じ町の商人の息子でメルダより2歳上。
小さい頃からとても仲のいい幼馴染だった。
ところがグランは勇者の血を引く者で、15歳になる年に魔王討伐の旅に行き、5年後無事魔王を倒したと、この国に戻ってきたのである。
そして、今日が勇者グランの凱旋パレードの日。
5年ぶりに会うグラン。メルダは嬉しいはずなのだが、素直に喜べない。
「もう、会ってもしょうがないし・・・」
いやいやながらメルダは着替えをする。
メルダがそう言うのも仕方がない。
グランは魔王討伐の褒美として、この国の王女と結婚し、将来この国の王となることになっていた。
小さい頃から、グランに密かに思いを寄せていたメルダ。
その思いも告げられないまま、メルダの恋は終わる。