エンディングのあとで
「さて、受付に入るか。メルダも手伝ってくれよ」
カインは笑顔でメルダにそう言うと宿へと入っていく。
寝られなくなって不機嫌でいたはずなのに、どうもカインの笑顔を見てしまうと自分の不機嫌な気持ちもどこかへ行ってしまう。
そのくらい、カインの笑顔は爽やかだった。
・・・にしても、魔王を倒した仲間の一人が今は宿屋の住み込みって凄い落差よね。
本当に、カインはこの生活で満足してるのかしら。
もっとカインの全てを生かせる仕事があると思うんだけどな・・・。
受付で客の対応をしながら、ふとそんなことを考える。
魔王なき今、確かにこの世界は平和にはなった。
とはいえ街を離れれば、魔王の手下であった魔物の生き残りが少なからずまだ存在するし、山賊などのならず者も存在する。
魔王を倒してきた実力があるのだから、その能力をいかんなく発揮出来る職業はあるはずなのだ。