小さな恋の物語 *短編集*
 ここから彼はいつも私が見ている景色を見ていたんだよね……。



 そう思うとなぜだか私の胸がほんのりと温かくなった。




 いつも1人で見ていた景色を誰かと共有することができること。



 それがどれほど嬉しかったか……。



 きっと彼が話しかけてくれたのはただの気まぐれ。



 だけどそれでも私にとってみれば嬉しいことで。





 『またっ』と言ってくれた彼に、また会えたらいいな、と心の隅で考えていたんだ……。
< 11 / 175 >

この作品をシェア

pagetop