小さな恋の物語 *短編集*
 ……とはいっても同じクラスになったからって特に進展もなく季節は秋になってしまった、というわけ。



 だからちょっとだけ勇気出して今日の試合を見て来てほしいと伝えたんだけど……。




 ああやって松井を待ってたり、いきなり試合を見て来てほしいとか言って変な奴だって思われなかったかな……。



 しかも待ってる間に寝るとか、マジ俺ありえないよなー;




 と、自然にため息がこぼれた時……



「おーい、大雅ー! 何ため息ついてんだよ~」



「……タツ」



 なんかのんきな声がしたかと思ったら同級生で副キャプのタツだった。



 こいつもすごくバスケが上手くて、普通だったら緊張してガチガチになる奴が多い中こいつは肝が座ってるっていいたか。



 とにかく部の雰囲気を明るくしてくれる達人でもある。
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