小さな恋の物語 *短編集*
「よかったな、大雅! 俺たち優勝だぜ?」
「タツ……」
整列をして閉会式と表彰式をすましてから俺はタツと2人で話していた。
俺たちが優勝した=俺は松井に想いを告げる、という今日一番の大仕事がある。
式が終わった後すぐに松井に「ちょっと時間作ってほしい」と言った。
すると快くOKしてくれたんだ。
だからこのあと俺は…………。
「なーに心配そうな顔してんだよ。大雅らしくない」
「いや、でもさ……」
いくら試合でもあまり緊張しない俺だけど、今からしようとしていることはさすがに緊張する。