小さな恋の物語 *短編集*
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「松井」



「……! あっ、北原くん!」



 体育館の横にある広場に呼び出していた俺は椅子に座っている松井に声をかけた。



「ごめんな、呼び出したくせに遅れて」



「ううん、全然大丈夫だよっ。それに、試合終わりで疲れたでしょ? お疲れ様」



 申し訳なくて謝ると相変わらず優しい笑顔でそう言ってくれた。



 その笑顔を見ていると、なぜだか分からないけど気持ちが楽になる気がする。




「ありがと。…………あのさ」



「ん?」
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