小さな恋の物語 *短編集*
「この前言ってたことだけど……」



 その先の言葉を言う前にまず大きく息を吸い込んだ。



 そして。





「俺、松井のことが好きだ──」




 真っ直ぐ松井を見ながら言った。




「…………えっ…?」



 案の定、驚きを隠せないのか松井はびっくりした様子で俺を見ている。



 ま、当たり前か。




「1年の頃からずっと好きだったんだ。松井は俺にとって初恋の女の子だよ」
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