小さな恋の物語 *短編集*



「私も、北原くんのことが好きですっ……」



 目にいっぱい涙を浮かべたまま松井はそう言ってくれた。




「私ね今日、北原くんともっと距離を縮められたらなって思ってたの。だから、北原くんに好きだなんて言われると思ってなくて……」



 「これは嬉し泣きだよ」って微笑みながら言う松井を見て、俺は足の力が抜けた。




「あっ、北原くん!?」



「ごめん、ちょっと気が抜けて……」



 松井はその場にしゃがんだ俺の元に駆け寄ってきてくれた。



 その姿があまりにも可愛くて──
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