小さな恋の物語 *短編集*
「俺たちは教師と生徒だ。もちろん、付き合ってることがバレたら大変なことになる」



 俺にとっても、そして大事な入試を控えている佐藤にとってもだ。



 ここでバレて全てが終わったら元も子もない。



「だからあまり周りのやつらみたいにデートしたり会ったりできないかもしれない。……それでもいいんなら」



 佐藤が嫌じゃなんだったら……。





「俺と付き合ってほしい」




 抱きしめているから佐藤の表情は分からない。



 でも、佐藤の腕がゆっくりと俺の背中に回ってギュッと抱きついてきた。
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