小さな恋の物語 *短編集*

「早く行かないと取られちゃう！　ほら、行こう？」



「え!?　あ、うん……」



　焦っている俺のことなんかお構いなしに手を引っ張るようにしてそこに向かう。




　いやいや！



　ちょっと待て!!



　さすがにあんなに人がいないところに２人なんて……。



　ただでさえ今でも２人きりになったら理性保てるか分からないのに、あんなところに行ったら絶対にヤバい気がする。



　と、そんなことを全く感じ取っていない凛。



　そのまま真っ直ぐ目的地にまで着いてしまった。