小さな恋の物語 *短編集*
「ここすっごくキレイ! みんな来ないなんてもったいないよね」



「ほんと。すっげぇキレイ」



 誰もいないそこは、少し高い位置にあるから下の方に咲いている桜を一望できる。



 ほんの少し高いだけで景色が変わるここは本当に穴場スポットだ。




「座ろっか」



「うん!」



 そう声をかけて俺たちはベンチに腰掛ける。



 ベンチに座ることで必然的に凛との距離が近くなるわけだけど、絶対に耐えなくちゃな……。
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