小さな恋の物語 *短編集*
「ううん。…………じゃあ俺はこれで失礼するね」



 無理に笑顔を作って屋上から出て行く橋田くん。



 その後ろ姿を私はぼんやりと眺めていた。





「おい」



 ぼーっとしているといきなり誰かに呼ばれた。



 ううん、誰かなんて見なくても分かる。



 だってこの声は……。
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