小さな恋の物語 *短編集*
 ♪~♪~♪


 と、突然携帯の鳴る音が図書室に響いた。



 着信音的に私じゃないから……、彼かな?



 すると向こうは顔をしかめながら「ごめんなさい」と言ってから電話に出た。




「もしもし。……うん。…………あぁー、今ちょっと……」



 電話片手に難しそうな顔して話してるから出て行った方がいいよね。



 チラリと彼を見てから私はドアに向かって歩みを進めた。




「めんどくせぇなぁ……。ん、今行くから。はいはい」


そう言って電話を切った。



 そして、出て行こうと思ってた私を彼が走ってきて引き止めた。
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