小さな恋の物語 *短編集*
「待ってください! ……あの、電話来たから出て行こうとしてましたよね?」



「あ、いえ……」



「俺、今友達に呼ばれたんで出て行かなくて大丈夫です。ってかすいません、邪魔しちゃって……」



 申し訳なさそうに頭を下げた彼。



「そ、そんな!! 邪魔なんてしてないですよ!」



 だって、ただ桜を見ていただけなんでしょ?



 別に私は被害を受けてないのに……。




「頭、上げて? 私は大丈夫だから」



 私が言うとやっぱり申し訳なさそうにしてる。
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