小さな恋の物語 *短編集*
 首を傾げながら香奈恵ちゃんを見る私の気持ちを察したのかにやにや顔のまま話し出した。



「そういえば鈴奈[スズナ]、北原のこと好きなんだったなぁ、と思って」



「……っ!!/// ちょ、香奈恵ちゃん!!///」



 一気に真っ赤になる私の顔。



 それは鏡を見なくても分かるくらい。




「可愛いーっ」



「からかわないで!」



 可愛くないのにそんなお世辞言われても嬉しくないよー。



 しかも美人な香奈恵ちゃんに言われたって、私が惨めになるだけだし……。
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