小さな恋の物語 *短編集*
「無自覚ー。……でも、鈴奈はいいの? このまま片想いのままで」



 何度か言われたその言葉。



 私を思っての言葉だとしても、私が返す言葉はいつだって変わらない。



「……いいの。北原くんはバスケしか目に入ってないんだもん。私が告白したところでOKもらえるわけないよ」



 そう。北原くんはバスケが一番な人。



 例えどんなに可愛い子が告白しても付き合うことはない。



 付き合えないと分かってるのにわざわざ告白するほど私には勇気がないから……。



 このままでいいんだ。
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