小さな恋の物語 *短編集*
「鈴奈らしいね。でも、好きなことをやめるつもりはないみたいでよかった」



 優しく微笑んでくれた香奈恵ちゃんの顔が赤い夕日に照らされてすごくキレイ。




 ……というか、確か私が初めて北原くんを見たのも去年のこの時期くらいだったよなぁ…………。



 ちょうど夏から秋に変わる季節で、誰もいないテスト期間中の体育館。



 私は見つけたんだ。



 天才だって言われてる彼の、努力をしてる姿を……。
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