小さな恋の物語 *短編集*
「…………んん……」



「……!?」



 顔を歪めた北原くんの声に反応して私はさっと距離を取った。



 ……そ、そうだよ。北原くんがいつ起きるか分からない。



 起きた時に私みたいな子がいたら嫌だよね……。



 そう思った私はカバンを持ちさっさと教室から出ようとした。



 そう、出ようとした……んだけど。




「あっ、松井[マツイ]待って!」



「……!! え?」
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