ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「あ、シュリ様たちに連絡しないと。」
「…今から手紙送ったら結構時間掛かるぞ?」
「魔法使います。もう他の人はいないし。」
キースは口笛を吹いた。するとその風が四角い形にまとまる。
「シュリ様のもとへ。助けが必要だと伝えて。」
キースは指でその風を弾く。すると、その風は迷わず飛んで行った。と思ったら、上の窓の方に飛んでいく。
ぱしっという音がした。その風を指で掴んだ、その人は…。
「キース、待ちくたびれたぞ。」
「シュリ様!」
「思っていたより怪我がひどいなぁ…大丈夫かい?」
「ようやく人に頼るということを覚えたか。」
「…はは。シュリ様は相変わらず手厳しい。」
上の窓からゆっくりと降りてきた二人は、国王の前に立つ。
「久しぶりにお会いできて光栄です、国王陛下。」
「魔法使いの森、ヴィトックスより参りました、シュリ・ヴァールズ。」
「同じく、シャリアス・ウドリック。」
「ジアの危機とあって駆け付けた所存。助けに来たぞ、キース。」
口角を上げて、キースに向けてシュリは笑った。
「遠いところからわざわざ、ありがとうございます。」
「娘をどうか、よろしく頼みます。」
2人は深々と頭を下げた。
「生意気に使い魔など…それで治りが遅いのだろう?」
「使い魔のこと…どうして…?」
「ヴィトックスの上を龍が飛び去って行った。そしてお前の鳥も追いかけていた。それを見て察したんだよ。そしてジアの気配が遠ざかっていくのもな。お前は使い魔のおかげでジアの位置を把握できるだろうが、私の魔力の範囲ではもう感知できない。」
「…遠いです。それに龍の力は強い。」
「まずはお前の火傷の完治だ。もう夜も更けてきた。皆、しっかりと休もう。出発は明日。キース。」
「はい。」
「お前は余計なことを一切考えずによく眠れ。クロハからありったけの薬をもらって。ミアの力は今は使わせない。」
「…そうですね。それが得策かと。」
「以上、解散だ。」
国王の前であってもシュリは全く変わらない。そんな姿にキースは小さく笑った。
「…今から手紙送ったら結構時間掛かるぞ?」
「魔法使います。もう他の人はいないし。」
キースは口笛を吹いた。するとその風が四角い形にまとまる。
「シュリ様のもとへ。助けが必要だと伝えて。」
キースは指でその風を弾く。すると、その風は迷わず飛んで行った。と思ったら、上の窓の方に飛んでいく。
ぱしっという音がした。その風を指で掴んだ、その人は…。
「キース、待ちくたびれたぞ。」
「シュリ様!」
「思っていたより怪我がひどいなぁ…大丈夫かい?」
「ようやく人に頼るということを覚えたか。」
「…はは。シュリ様は相変わらず手厳しい。」
上の窓からゆっくりと降りてきた二人は、国王の前に立つ。
「久しぶりにお会いできて光栄です、国王陛下。」
「魔法使いの森、ヴィトックスより参りました、シュリ・ヴァールズ。」
「同じく、シャリアス・ウドリック。」
「ジアの危機とあって駆け付けた所存。助けに来たぞ、キース。」
口角を上げて、キースに向けてシュリは笑った。
「遠いところからわざわざ、ありがとうございます。」
「娘をどうか、よろしく頼みます。」
2人は深々と頭を下げた。
「生意気に使い魔など…それで治りが遅いのだろう?」
「使い魔のこと…どうして…?」
「ヴィトックスの上を龍が飛び去って行った。そしてお前の鳥も追いかけていた。それを見て察したんだよ。そしてジアの気配が遠ざかっていくのもな。お前は使い魔のおかげでジアの位置を把握できるだろうが、私の魔力の範囲ではもう感知できない。」
「…遠いです。それに龍の力は強い。」
「まずはお前の火傷の完治だ。もう夜も更けてきた。皆、しっかりと休もう。出発は明日。キース。」
「はい。」
「お前は余計なことを一切考えずによく眠れ。クロハからありったけの薬をもらって。ミアの力は今は使わせない。」
「…そうですね。それが得策かと。」
「以上、解散だ。」
国王の前であってもシュリは全く変わらない。そんな姿にキースは小さく笑った。