ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「シラ、行きましょう!」
「お早いですね!」
「だって着慣れた服だもの。こういうのをもっと着ていたかったの。これだったら皆さんの仕事にも参加できるし。」
「そ、そんなことはさせられませんよ!それに、食事をみんなとというのも…。」
シラが言い終わらないうちに、部屋のドアが開いた。
「姫さん、起きとるかー…って何やその服!シラ、オレはちゃんと服を着せぃゆーたよな?」
「は、はい!」
「シラのせいじゃないわ。あたしが、動きやすい服をとお願いしたの。ここでのみなさんの仕事というものを見せていただきたいのと、一緒に食事がしたいのだけどいいかしら?」
「一緒に食事?仕事もしたいと?」
「ええ。」
真面目だったランの顔が、みるみるうちに笑顔に変わった。
「ははは!さっすがやな、ハルアトスの姫君はオレの予想をはるかに超えてくる。ええで、なんでもやりたいようにやったらええやん。」
「ラン!そんなこと許可して何かあったら…。」
「その代わり、シラ、お前は姫さんの傍を離れないこと。引き続き姫さんの監視、頼むで。」
それだけ言い残すと、ランは部屋を去っていく。ドアは開いたままだ。ドアから聞こえてくるのは、ここに住む人々の声だ。
「ラン様!おはようございます。」
「おはよう!今日のメシはなんだろうなぁ。」
「一緒に食べましょうよ、ラン様!」
「おお、ええで!」
ジアは部屋を出た。ランは沢山の子供に囲まれて笑っている。改めて見ると、本当に人にしか見えない。ランがなぜ龍になれるのかなんて、皆目見当もつかない。
「見ない顔だな、お嬢さん。」
ジアに声を掛けてきたのは、背が高い男だった。
「シラ様、おはようございます。」
「おはようございます。」
「こちらの方はどの族の方ですか?」
「…彼女は…。」
シラが口ごもる。本当のことを話していいのか迷っているのだろう。
「そいつぁ、王族やで。」
「え?」
「ラン!」
「王…族…?」
民の中にざわめきが広がっていく。
「ハルアトス城からお越しの、ジア王女や。」
(お越しの、じゃないでしょ…誘拐してきた、が正しくない?)
「お早いですね!」
「だって着慣れた服だもの。こういうのをもっと着ていたかったの。これだったら皆さんの仕事にも参加できるし。」
「そ、そんなことはさせられませんよ!それに、食事をみんなとというのも…。」
シラが言い終わらないうちに、部屋のドアが開いた。
「姫さん、起きとるかー…って何やその服!シラ、オレはちゃんと服を着せぃゆーたよな?」
「は、はい!」
「シラのせいじゃないわ。あたしが、動きやすい服をとお願いしたの。ここでのみなさんの仕事というものを見せていただきたいのと、一緒に食事がしたいのだけどいいかしら?」
「一緒に食事?仕事もしたいと?」
「ええ。」
真面目だったランの顔が、みるみるうちに笑顔に変わった。
「ははは!さっすがやな、ハルアトスの姫君はオレの予想をはるかに超えてくる。ええで、なんでもやりたいようにやったらええやん。」
「ラン!そんなこと許可して何かあったら…。」
「その代わり、シラ、お前は姫さんの傍を離れないこと。引き続き姫さんの監視、頼むで。」
それだけ言い残すと、ランは部屋を去っていく。ドアは開いたままだ。ドアから聞こえてくるのは、ここに住む人々の声だ。
「ラン様!おはようございます。」
「おはよう!今日のメシはなんだろうなぁ。」
「一緒に食べましょうよ、ラン様!」
「おお、ええで!」
ジアは部屋を出た。ランは沢山の子供に囲まれて笑っている。改めて見ると、本当に人にしか見えない。ランがなぜ龍になれるのかなんて、皆目見当もつかない。
「見ない顔だな、お嬢さん。」
ジアに声を掛けてきたのは、背が高い男だった。
「シラ様、おはようございます。」
「おはようございます。」
「こちらの方はどの族の方ですか?」
「…彼女は…。」
シラが口ごもる。本当のことを話していいのか迷っているのだろう。
「そいつぁ、王族やで。」
「え?」
「ラン!」
「王…族…?」
民の中にざわめきが広がっていく。
「ハルアトス城からお越しの、ジア王女や。」
(お越しの、じゃないでしょ…誘拐してきた、が正しくない?)