ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「貴様らこそ、何者だ?一瞬で龍に変わるその身体。」
「変な気配の持ち主はお前らだったか。」
「変な気配はお互い様だろう?」
「美人だが減らず口だな。」
「美人という褒め言葉、有難く頂戴しておこう。」
「そいつらまとめて運んどけ。」
「待って、ラン!」
ジアはランの腕を引いた。
「今すぐ麻痺薬の解毒剤を打って。」
「なーに必死になってん?」
「あなたたちに危害を加えるためにここに来たんじゃないわ、あたしも3人も。」
「…なーるほど、なぁ、…よく見りゃあの時のにーちゃんじゃねーか。」
ランはキースの前に歩み出た。
「姫さんを救えなかった奴だ。」
「っ…。」
「今更何しに来たんだ、にーちゃん?」
麻痺薬が思いのほか効いていて、キースの口が回らない。
「薬の効果がいいみたいやなぁ、動けへんし口もきけへん。」
「キースっ!」
「…行かせへん。」
ジアの手はランに掴まれる。
「離して!」
「離さへん。姫さんはオレの婚約者になるんや。」
「なっ…!」
「…!」
「へぇ~ラン、結婚すんの?」
「そうや、この姫さんに惚れてもーた。心臓一発でぶち抜かれた感じや。」
「じゃあ明日は宴会だねぇ。ボク、大急ぎで知らせてくるよ!」
ラビは兎に姿を変え、森の中を駆け抜けていった。
「ホルブ、フォーン、こいつらの運搬を頼む。」
「ああ。」
「はいはーい。」
「姫さんはオレと一緒に下るで。」
「嫌。」
「なんやて?」
「キースたちと一緒に下る。」
「…聞き分け悪い女は嫌やで…。フォーン。」
「はいはい。」
チクリと首筋を刺す痛みが走った。その途端に視界が歪む。
「ジアっ…!」
「あん時みたいやなぁ、何もできひんで見てるだけのにーちゃん。」
ランはキースの髪を掴んで、にやりと笑った。
「変な気配の持ち主はお前らだったか。」
「変な気配はお互い様だろう?」
「美人だが減らず口だな。」
「美人という褒め言葉、有難く頂戴しておこう。」
「そいつらまとめて運んどけ。」
「待って、ラン!」
ジアはランの腕を引いた。
「今すぐ麻痺薬の解毒剤を打って。」
「なーに必死になってん?」
「あなたたちに危害を加えるためにここに来たんじゃないわ、あたしも3人も。」
「…なーるほど、なぁ、…よく見りゃあの時のにーちゃんじゃねーか。」
ランはキースの前に歩み出た。
「姫さんを救えなかった奴だ。」
「っ…。」
「今更何しに来たんだ、にーちゃん?」
麻痺薬が思いのほか効いていて、キースの口が回らない。
「薬の効果がいいみたいやなぁ、動けへんし口もきけへん。」
「キースっ!」
「…行かせへん。」
ジアの手はランに掴まれる。
「離して!」
「離さへん。姫さんはオレの婚約者になるんや。」
「なっ…!」
「…!」
「へぇ~ラン、結婚すんの?」
「そうや、この姫さんに惚れてもーた。心臓一発でぶち抜かれた感じや。」
「じゃあ明日は宴会だねぇ。ボク、大急ぎで知らせてくるよ!」
ラビは兎に姿を変え、森の中を駆け抜けていった。
「ホルブ、フォーン、こいつらの運搬を頼む。」
「ああ。」
「はいはーい。」
「姫さんはオレと一緒に下るで。」
「嫌。」
「なんやて?」
「キースたちと一緒に下る。」
「…聞き分け悪い女は嫌やで…。フォーン。」
「はいはい。」
チクリと首筋を刺す痛みが走った。その途端に視界が歪む。
「ジアっ…!」
「あん時みたいやなぁ、何もできひんで見てるだけのにーちゃん。」
ランはキースの髪を掴んで、にやりと笑った。