ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「さぁ、ジア様。お化粧もお着替えも全て終わりです。とても美しいです。ラン様もお喜びになることでしょう。」
鏡の前の自分は、まるで城にいたころの自分のようだった。薄い黄色のドレスに生花が編まれたヴェールまで。これでは本当に花嫁のようだ。
「姫さん、出来上がったか~?」
ドアを開けて入ってきたのは、正装のランだった。シルバーのタキシードらしきものを着用しながらも、一部着崩していたり、髪が無造作に束ねられていたりするところはらしいといえばらしい。
「やっぱ綺麗やん。」
「やっぱって何よ。」
「顔立ち綺麗やもんな。オレの目は確かや!」
真っ直ぐに綺麗と褒められて悪い気はしない。が、そんなことを考えている場合でもない。
「控室はあっちや、ほら。」
差し出された手。きっと手を出してくれたのが、ランではなくキースだったら迷わず手を取った。
「自分で行けるわ。」
「なんやーほんまつれへんなぁ。」
そんなことは気にもとめていない様子で控室に入るラン。仕方なくジアも付き従う。シラがドアを閉め、ドアの近くに立つ。
「シラ、お前は外で待っとれ。」
「私はジア様の護衛を任されたはずですが。」
「オレが姫さんと一緒におるんやで?最高の護衛やろ?」
「…では、失礼いたします。」
目線で行かないでほしいと伝えたが、シラは申し訳なさそうに退室した。
鏡の前の自分は、まるで城にいたころの自分のようだった。薄い黄色のドレスに生花が編まれたヴェールまで。これでは本当に花嫁のようだ。
「姫さん、出来上がったか~?」
ドアを開けて入ってきたのは、正装のランだった。シルバーのタキシードらしきものを着用しながらも、一部着崩していたり、髪が無造作に束ねられていたりするところはらしいといえばらしい。
「やっぱ綺麗やん。」
「やっぱって何よ。」
「顔立ち綺麗やもんな。オレの目は確かや!」
真っ直ぐに綺麗と褒められて悪い気はしない。が、そんなことを考えている場合でもない。
「控室はあっちや、ほら。」
差し出された手。きっと手を出してくれたのが、ランではなくキースだったら迷わず手を取った。
「自分で行けるわ。」
「なんやーほんまつれへんなぁ。」
そんなことは気にもとめていない様子で控室に入るラン。仕方なくジアも付き従う。シラがドアを閉め、ドアの近くに立つ。
「シラ、お前は外で待っとれ。」
「私はジア様の護衛を任されたはずですが。」
「オレが姫さんと一緒におるんやで?最高の護衛やろ?」
「…では、失礼いたします。」
目線で行かないでほしいと伝えたが、シラは申し訳なさそうに退室した。