ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「っ…お前…!」
「ラン…どうしてこんな…。」
「まーた守れへんやん、好きな女のココ、ですら。」
ランがジアの唇に触れる。ジアは思い切り下を向いた。キースの方が見れない。
「なぁ、姫さん。それでもこんなやつがええんか?」
ジアは下を向いたまま頷いた。床には雫が落ちていく。
「…じゃあ、最終決戦といこか、キース。」
「ジア、ちょっと手荒なことするけどごめんね!」
「え?」
泣いたままの顔をそのまま上げる。その瞬間にキースの風が、身体を包んだ。
「なんや!?」
あっけにとられるランをよそに、そのまま舞い上がったジアの身体は、キースのもとへと着地した。
「キースっ…。」
「遅くなってごめん。」
そう言ってキースは左腕でそっとジアの身体を抱いた。ジアの身体の周りを走っていた風が解けてなくなっていく。
「…おいおい、感動の再会なんてええから、オレに木端微塵にされぇ。」
風がぐるぐると渦を巻きながらランの身体を包んでいく。緑の鱗が鋭く光った。ジアを抱く腕が一瞬だけ強まって離れる。
「結構風もっていかれたか…ジア、あんまり遠くに運べないから、運ばれたところから走って遠くに逃げてね。」
「何する気…?」
「ジアを逃がす。あとあの龍を…人間に戻す?」
「え?」
キースの口笛が、ジアの身体をまた包む。
「プロテクト。」
「キース!?」
ジアを包んでいた風が突然球体になり、固くなる。そして少しずつキースから離れていく。
「へぇ~なんや、あんときはなんもできひんフリしとったっちゅーわけか。」
「フリ、じゃないよ。できないことは多い。」
「んじゃ、ここでお前が死ねばジアもオレの嫁さんになってくれるな。」
「…それを、させないためにここに来た。」
「あ?」
「どんなに炎を浴びさせられても、死なないよ、俺は。ジアを置いて、死ねないよ。」
「上等上等。この前より目が生きとる。」
ごおっと強い炎が吐き出された。
「ラン…どうしてこんな…。」
「まーた守れへんやん、好きな女のココ、ですら。」
ランがジアの唇に触れる。ジアは思い切り下を向いた。キースの方が見れない。
「なぁ、姫さん。それでもこんなやつがええんか?」
ジアは下を向いたまま頷いた。床には雫が落ちていく。
「…じゃあ、最終決戦といこか、キース。」
「ジア、ちょっと手荒なことするけどごめんね!」
「え?」
泣いたままの顔をそのまま上げる。その瞬間にキースの風が、身体を包んだ。
「なんや!?」
あっけにとられるランをよそに、そのまま舞い上がったジアの身体は、キースのもとへと着地した。
「キースっ…。」
「遅くなってごめん。」
そう言ってキースは左腕でそっとジアの身体を抱いた。ジアの身体の周りを走っていた風が解けてなくなっていく。
「…おいおい、感動の再会なんてええから、オレに木端微塵にされぇ。」
風がぐるぐると渦を巻きながらランの身体を包んでいく。緑の鱗が鋭く光った。ジアを抱く腕が一瞬だけ強まって離れる。
「結構風もっていかれたか…ジア、あんまり遠くに運べないから、運ばれたところから走って遠くに逃げてね。」
「何する気…?」
「ジアを逃がす。あとあの龍を…人間に戻す?」
「え?」
キースの口笛が、ジアの身体をまた包む。
「プロテクト。」
「キース!?」
ジアを包んでいた風が突然球体になり、固くなる。そして少しずつキースから離れていく。
「へぇ~なんや、あんときはなんもできひんフリしとったっちゅーわけか。」
「フリ、じゃないよ。できないことは多い。」
「んじゃ、ここでお前が死ねばジアもオレの嫁さんになってくれるな。」
「…それを、させないためにここに来た。」
「あ?」
「どんなに炎を浴びさせられても、死なないよ、俺は。ジアを置いて、死ねないよ。」
「上等上等。この前より目が生きとる。」
ごおっと強い炎が吐き出された。