ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
― ― ― ― ―
あっという間に宴は終わり、広場にはランと6人の長が集まった。
「もう行ってしまわれるのですね。」
「お父様とお母様が心配してると思うからね。」
「ジア、すまんかった。この通りや。」
ランが両手を合わせて謝る姿が面白くて、ジアは笑った。
「いいよ。将来的にあたしはここと友好条約なり同盟なり結びたいから、お互い頑張ろうね。」
「頼むでほんまに。でも、ジアにばっかり頼るつもりもあらへんけど。オレも鱗回復したらまたハルアトス行くわ。」
「うん。待ってるね。」
ジアから差し出した手は、強く握られる。いつか、国を治める者としてまた会いたい。そんな気持ちを握手に込める。
「…長い。そろそろ離して。」
「キースって案外ケチやん。ほんまにこんな男でええんか?」
「うん。キースがいいの。」
「即答やんかーくっそー!」
ジアとランのやり取りに、みんなが笑う。この空気感に、少しだけ眉間に皺のよったキースも笑ってくれる。
「ジア様…ありがとうございました。」
「シラ!」
ジアはシラにぎゅっと抱き付いた。
「あなたのおかげで本当に楽しかったわ!ありがとう。シラに会いに、また来るからね。」
「お待ちしております。」
「獣の血を引く者たちよ。特に、この龍の王を除くそなたたちだ。」
シュリは6人を見据えて口を開いた。
「長きに渡って人間を見つめてきた、老いぼれの話だと思って聞いてほしい。」
「…シュリ様、お若く見えますが。」
「魔女だからな、これでも500年は生きている。」
「ごっ…!」
「500年…。」
「まぁそんなことはいい。そなたたち6人は、ジアにおけるキースなのだよ。」
「へっ!?」
「シュリ様何を…。」
困惑したのはジアとキースだった。
あっという間に宴は終わり、広場にはランと6人の長が集まった。
「もう行ってしまわれるのですね。」
「お父様とお母様が心配してると思うからね。」
「ジア、すまんかった。この通りや。」
ランが両手を合わせて謝る姿が面白くて、ジアは笑った。
「いいよ。将来的にあたしはここと友好条約なり同盟なり結びたいから、お互い頑張ろうね。」
「頼むでほんまに。でも、ジアにばっかり頼るつもりもあらへんけど。オレも鱗回復したらまたハルアトス行くわ。」
「うん。待ってるね。」
ジアから差し出した手は、強く握られる。いつか、国を治める者としてまた会いたい。そんな気持ちを握手に込める。
「…長い。そろそろ離して。」
「キースって案外ケチやん。ほんまにこんな男でええんか?」
「うん。キースがいいの。」
「即答やんかーくっそー!」
ジアとランのやり取りに、みんなが笑う。この空気感に、少しだけ眉間に皺のよったキースも笑ってくれる。
「ジア様…ありがとうございました。」
「シラ!」
ジアはシラにぎゅっと抱き付いた。
「あなたのおかげで本当に楽しかったわ!ありがとう。シラに会いに、また来るからね。」
「お待ちしております。」
「獣の血を引く者たちよ。特に、この龍の王を除くそなたたちだ。」
シュリは6人を見据えて口を開いた。
「長きに渡って人間を見つめてきた、老いぼれの話だと思って聞いてほしい。」
「…シュリ様、お若く見えますが。」
「魔女だからな、これでも500年は生きている。」
「ごっ…!」
「500年…。」
「まぁそんなことはいい。そなたたち6人は、ジアにおけるキースなのだよ。」
「へっ!?」
「シュリ様何を…。」
困惑したのはジアとキースだった。