ハルアトスの姫君ー龍の王と六人の獣ー
「す…スノードームみたい!」
「え…?」
子供のように瞳を輝かせて、ジアはそう言った。半円の上から降り注ぐ雪は、キースたちのところには直に降りてこない。半円がシールドの役割を担っている。ふわふわと漂う灯りが雪をも光らせる。
「スノードームって知らない?置物…飾り、かな?これみたいな半円の中にね、雪だるまとかそりとかがあって、雪に似せたキラキラした白い…あれは何かわかんないけど、そういうのがあって、振ると雪が降っているみたいに見えるんだよ。今のあたしたちは、スノードームの中にいるみたい!」
声のトーンもいつもより高い。それほどまでに喜んでくれたのならば、それはキースにとってこの上もない喜びだ。
「…気に入ったみたいだね。」
「すっごく!それにこの魔法の灯りも綺麗!」
「…グロウ。綺麗だよね。自分の使える魔法の中で一番好きなものだよ。」
「…グロウっていうのね。…あたしも使えるようにならないかなぁ。」
そう言いながら、ジアの指先がキースの生み出した灯りに触れる。
「熱くない!不思議!」
子供みたいに幼く笑うジアに、キースの頬も緩んだ。そして、胸が高鳴った。こんなに可愛い人が、手を伸ばせばすぐに触れられる距離にいることが、尊くて愛おしい。
「ジア。」
「え?」
キースの方に振り返った細身の身体をそっと抱きしめる。
「え、あの…キース…?」
戸惑った声に思わず吹き出しそうになる。それを誤魔化したくて、キースは抱きしめる腕に力を込めた。
「…大切だなって思うよ、本当に。」
「え、な、何が…?」
「君をこうして抱きしめること。…それで、君を近くに感じること。ジア、君が隣で笑ってくれるだけで、世界はちゃんと光り輝く。」
腕の力を緩めて、その黄金の瞳を見つめると、ジアの頬が赤く染まった。額を重ね合わせて熱を分け合えば、自然に唇の距離は縮まった。
「え…?」
子供のように瞳を輝かせて、ジアはそう言った。半円の上から降り注ぐ雪は、キースたちのところには直に降りてこない。半円がシールドの役割を担っている。ふわふわと漂う灯りが雪をも光らせる。
「スノードームって知らない?置物…飾り、かな?これみたいな半円の中にね、雪だるまとかそりとかがあって、雪に似せたキラキラした白い…あれは何かわかんないけど、そういうのがあって、振ると雪が降っているみたいに見えるんだよ。今のあたしたちは、スノードームの中にいるみたい!」
声のトーンもいつもより高い。それほどまでに喜んでくれたのならば、それはキースにとってこの上もない喜びだ。
「…気に入ったみたいだね。」
「すっごく!それにこの魔法の灯りも綺麗!」
「…グロウ。綺麗だよね。自分の使える魔法の中で一番好きなものだよ。」
「…グロウっていうのね。…あたしも使えるようにならないかなぁ。」
そう言いながら、ジアの指先がキースの生み出した灯りに触れる。
「熱くない!不思議!」
子供みたいに幼く笑うジアに、キースの頬も緩んだ。そして、胸が高鳴った。こんなに可愛い人が、手を伸ばせばすぐに触れられる距離にいることが、尊くて愛おしい。
「ジア。」
「え?」
キースの方に振り返った細身の身体をそっと抱きしめる。
「え、あの…キース…?」
戸惑った声に思わず吹き出しそうになる。それを誤魔化したくて、キースは抱きしめる腕に力を込めた。
「…大切だなって思うよ、本当に。」
「え、な、何が…?」
「君をこうして抱きしめること。…それで、君を近くに感じること。ジア、君が隣で笑ってくれるだけで、世界はちゃんと光り輝く。」
腕の力を緩めて、その黄金の瞳を見つめると、ジアの頬が赤く染まった。額を重ね合わせて熱を分け合えば、自然に唇の距離は縮まった。