無の王
そして、ついに部費交渉の日がやって来た。
会議室に零と飛鳥はやって来た。
部費交渉に来た人たちは部費の少ない、弱い運動部や文化部ばかりだ。
零はいつも通り冷静な表情であったが、飛鳥はかなり緊張した面構えだ。
そして、飛鳥は紙袋を持たされている。
紙袋の中身は沢山の紙…というか資料?が入っている。
そして、部費についての話し合いを強い運動部の先生達や教頭と話すことになる。
偉そうな教頭がみんなの前に来る。
「それでは部費交渉を始めます。それでは最初に茶道部の人からどうぞ。」
いきなり来た。俺達の番が。
零は立ち上がる。
「それじゃあ早速言わせてもらうけど…強豪の運動部の部費減らして他の部の部費増やしてくんない?」
ストレートに言う零に対し、各部の顧問がざわざわする。
「はっきりと言うねぇ君。言っとくけど、強い運動部って他校との付き合いや県外遠征もあるんだよ?新しい道具の新調もあるし、減らせと言っても簡単には無理なんだよ?」
教頭の言うことは最もだ。
だが、零は飛鳥の持っている紙袋から紙を3枚程取り出して言う。
「そうは言うが…強豪部は凄い寄付金貰っているみたいじゃん。剣道部なんてOBが政界で活躍しているみたいだし、寄付金も半端ない金額貰っているみたいだし相当監督さん甘い汁吸っているでしょ?」
零はそう言い、剣道部の監督を睨む。
剣道部の監督はそれを聞いて内心震えている。
教え子から莫大な金を受け取っていて、更に教え子を上手く利用し、自身も政界に出ようと考えているのだ。
これが表沙汰になると教師をクビになるし、政界に出るという野望も潰えてしまう。
「他にも野球部もここ最近で何人プロ入りだしているかな?プロ行った人はみんな莫大な金を毎年寄付しているみたいだし。そもそも甲子園に出るだけで卒業生から凄い金額が寄付されるんだ、甲子園で優勝した時なんかもっとスゴかったんだろうなぁ?」
野球部の女監督は少し動揺するが、比較的落ち着いている。
この女監督は零の担任で名前は淡路風華と言い、一年の時も担任であった。27歳とまだ若い。
だが、かつての教え子に零と似た人がいた為、零に対して不気味とか怖いとかは感じなかった。
零から感じたのは人から嫌われても汚い奴を裁く技量。
そして人の弱味を見付けたら徹底的にそこを突く悪魔的な思考であった。
だが、零の担任をしていて今までそういうところを見たことがなかった。
恐らく、誰かに部費を増やすように頼まれたのだろう。
取り敢えずこれ以上この部費交渉をしていたら強豪部の裏がバレてしまう。
「わ、分かりました!取り敢えず強豪部の部費を削減して他の部活に回すようにしましょう!」
淡路先生がそう言うと他の強豪部の先生もコクり頷く。
その時の先生達の視線は飛鳥の持っている紙袋を見ていた。
恐らく、零が集めた部内のスキャンダルや寄付金の悪用、更には有望中学生の強引な勧誘など世間にバレたら学校の知名度を下げるような書類をまとめて入れていると思っている。
これに対して教頭も冷や汗を流していう。
「わ、分かりました。それでは剣道・野球・弓道部の部費を削減して、どの部活にも均等に部費を支給するとします。」
会議室に零と飛鳥はやって来た。
部費交渉に来た人たちは部費の少ない、弱い運動部や文化部ばかりだ。
零はいつも通り冷静な表情であったが、飛鳥はかなり緊張した面構えだ。
そして、飛鳥は紙袋を持たされている。
紙袋の中身は沢山の紙…というか資料?が入っている。
そして、部費についての話し合いを強い運動部の先生達や教頭と話すことになる。
偉そうな教頭がみんなの前に来る。
「それでは部費交渉を始めます。それでは最初に茶道部の人からどうぞ。」
いきなり来た。俺達の番が。
零は立ち上がる。
「それじゃあ早速言わせてもらうけど…強豪の運動部の部費減らして他の部の部費増やしてくんない?」
ストレートに言う零に対し、各部の顧問がざわざわする。
「はっきりと言うねぇ君。言っとくけど、強い運動部って他校との付き合いや県外遠征もあるんだよ?新しい道具の新調もあるし、減らせと言っても簡単には無理なんだよ?」
教頭の言うことは最もだ。
だが、零は飛鳥の持っている紙袋から紙を3枚程取り出して言う。
「そうは言うが…強豪部は凄い寄付金貰っているみたいじゃん。剣道部なんてOBが政界で活躍しているみたいだし、寄付金も半端ない金額貰っているみたいだし相当監督さん甘い汁吸っているでしょ?」
零はそう言い、剣道部の監督を睨む。
剣道部の監督はそれを聞いて内心震えている。
教え子から莫大な金を受け取っていて、更に教え子を上手く利用し、自身も政界に出ようと考えているのだ。
これが表沙汰になると教師をクビになるし、政界に出るという野望も潰えてしまう。
「他にも野球部もここ最近で何人プロ入りだしているかな?プロ行った人はみんな莫大な金を毎年寄付しているみたいだし。そもそも甲子園に出るだけで卒業生から凄い金額が寄付されるんだ、甲子園で優勝した時なんかもっとスゴかったんだろうなぁ?」
野球部の女監督は少し動揺するが、比較的落ち着いている。
この女監督は零の担任で名前は淡路風華と言い、一年の時も担任であった。27歳とまだ若い。
だが、かつての教え子に零と似た人がいた為、零に対して不気味とか怖いとかは感じなかった。
零から感じたのは人から嫌われても汚い奴を裁く技量。
そして人の弱味を見付けたら徹底的にそこを突く悪魔的な思考であった。
だが、零の担任をしていて今までそういうところを見たことがなかった。
恐らく、誰かに部費を増やすように頼まれたのだろう。
取り敢えずこれ以上この部費交渉をしていたら強豪部の裏がバレてしまう。
「わ、分かりました!取り敢えず強豪部の部費を削減して他の部活に回すようにしましょう!」
淡路先生がそう言うと他の強豪部の先生もコクり頷く。
その時の先生達の視線は飛鳥の持っている紙袋を見ていた。
恐らく、零が集めた部内のスキャンダルや寄付金の悪用、更には有望中学生の強引な勧誘など世間にバレたら学校の知名度を下げるような書類をまとめて入れていると思っている。
これに対して教頭も冷や汗を流していう。
「わ、分かりました。それでは剣道・野球・弓道部の部費を削減して、どの部活にも均等に部費を支給するとします。」