無の王
「桜花さん、アンタ将来は金の女王と言われたいんだろ?だったら土地は必要以上に持っていたら良い。」


昔は土地は安かったが最近は土地の値上がりが激しい。


いかに土地が人間の間で重要とされているか分かる。


この土地が極限までに値上がりして、売り払うとどれだけの金が得られるだろうか?


100億?いや、そんな安くないだろう。

1兆、10兆はいくのではないだろうか?


どちらにせよ、貧乏人の零には夢のまた夢の様な金額である。



桜花には零の言っていることが良く分かる。

桜花も零と同じことを考えていたからである。


「土地は今でも高いけど、これからもっと高くなるわ。まさに土地は王様ね。」



そう言い、桜花は茶道部の部室の畳を取る。


畳の下は空洞となっており何かを隠したりするにはもってこいの場所であった。


零は驚いた。茶道部にこんな仕掛けがあったことに。


「じゃあ零くん。あなたが卒業するまでに畳の下が万札で溢れるほどの財産を作ってきなさい!」


何を言い出すんだこの人は…と思う零。


「そんなの当たり前でしょ。それでもこの国を盗るには足らないかもしれない。」





二人の甘い夢

その果てには

鬼がいるのか

仏がいるのか


今はまだ分からない
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