無の王
とはいえ、零も無策で戦うわけではない。

琴音の事だから攻撃的な構えである事は何となく予想できた。



弱者が強者と互角以上に戦うには相手が戦い慣れていない土俵で勝負する事である。


弱者は決して強者の土俵では戦ってはならない。

それは相手に戦いのペースを握られるからである。


何事にも勝負事には流れというのが存在する。

流れは心理面や肉体面、技術面に影響を与える。


そして心理面と肉体、技術は連動している。


つまり平常心なら体も良く動き、いつもの通りの技術も使えるのだが、大舞台で緊張していたら体、筋肉も緊張していていつも通りの実力が出せない。


つまり何が言いたいかというと、相手の意表を突く攻撃をして、相手を気迫で押す。

そして、相手に負けるかも知れないという気持ち…つまり、受けの心理を働かせるのである。



普段から攻撃的な奴ほど受け身に回ると脆いからである。


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