無の王
帰宅した零はとりあえずベッドに転ぶ。


自分がした事は正しかったのだろうか?

でも、いくらタイプの娘でもよく知りもしない人に告白されて即受けは出来ない。


結局はまずは友達から始めなきゃダメなんだな。



頭の中でも一周も二週も同じ考えをする零は飛鳥さんに貰った携帯番号とメールアドレスを見る。


「せっかく貰ったんだからメール送らないとダメだよな…。」


そう言い、書かれていたメールアドレスにメールを送る零。


俺に本当に興味あるんならすぐ返信するだろう。

人間はどうでもいい奴にはすぐに返信しないからな。


メールの返信スピードで相手の心の内が大体読めるぜ。



ぶつぶつ独り言を言っていたらすぐに飛鳥から返信が来た。



零は「ふーん」って感じでメールの内容を見る。


さて、何て送り返そうか?

普段女の子とメールなんてしないから返信に困る。


やっぱりメールでは伝えられない事が多いし、直接会って話したいことを話すべきだよな。


零は飛鳥に『明日の放課後に屋上で』と書いて返信した。


少し素っ気ない気がするが、これがいつもの零なのである。

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