無の王
部室で３人は楽しそうに会話していたが、気が付くといつの間にか６時半である。


村沢高校では強豪運動部以外は６時半までの活動と決まっており、そろそろ帰る支度をする４人。


｢ところで零くん今度の土曜は暇？｣


｢ああ、バイトは休みだし１日中暇だよ。｣

裏の仕事さえ無ければ暇だが、はたしてどうだろう。


｢じゃあさ、土曜は綾瀬ちゃんの歓迎会をしよっ！｣

妙に声に力がある飛鳥だが、それだけ部員が増えて嬉しかったって事か。


｢あたしの歓迎会ですかぁ？嬉しいっ。場所はどこにしますか？｣


しばらく考える飛鳥だが頭の中で閃く。

｢じゃあ私の家はどう？私の家は敷地内に小屋が沢山あるから歓迎会に使えるよ。｣

敷地内に小屋があるってどんだけ金持ちなんだよ…。


前々から気になっていたが飛鳥も桜花と同じ金持ちの雰囲気があった。


違うのはカリスマ性のみで、桜花は人の上に立つに相応しいカリスマ性を備えているが飛鳥は人の上に立つ能力は無さそうであった。



飛鳥の場合はどちらかと言うと人をサポートするタイプって感じであった。


｢それじゃあ今度の土曜は飛鳥の家で歓迎会な。時間はまた教えてくれよ。｣

< 45 / 53 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop