遠すぎる君
母から聞く驚愕の事実。
でも私は完全に他人事だった。
私は来年高校生。
ショックではあるけれど
嫌だ嫌だと泣き叫んで親にすがるほどでもない。
お父さんには幻滅したが
そういうこともあるか…と冷静に受け止めた。
「ほんとにしおりには悪いと思ってる。」
「お母さんがいいなら、それでいいよ。」
お母さんは頭を下げた。
「高校は公立を受験してほしいの…。」
「………え……?」
頭の中が真っ白になる。
青蘭はエスカレーター式。
引っ越しや留学等の理由がある生徒以外は
大抵の高校まではそのまま上がる。
うちは特別裕福というわけではなかったが、
一人っ子で
父親が銀行マンという比較的安定した職業のため
そして何より母の希望で小学校から私立に入った。
大学は外部受験して短大でもとは思っていたが
まさかの今?
中学3年。すでに7月。
違う。そんなことじゃない。
遼に会えなくなるの?美幸は?
小学校からの友達は?
「青蘭にはもう行けないってこと…?」
「しおりはお母さんについてきてほしい。」
「もちろんだよ!当たり前じゃない!」
お父さんと他所の女の人と一緒になんか住めるもんか!
そんなことを言うお母さんの意図が全くわからない。
「お父さんは多少の生活費はくれると思う。
でも自分の生活費と私たちの生活費。
実際問題この先どれだけ払う能力があるのかわからないのよ。
降格になると思うし…
もちろん、お母さんも働く。
でも今まで専業主婦でこの年じゃパートぐらいしか職がないかも…
貯金もあるけど、お父さんがある程度…使ってたみたいで…思ったより無かった。
まさかしおりが在学中に…
こんな早くにこんなことになるなんて…」
お母さんは泣きはじめた。
青蘭はこの辺りでは有名な私立。
授業料も高い。
高校に行くと尚更。
泣きながら「不安なのよ…」
…もう何も言えなかった。
でも私は完全に他人事だった。
私は来年高校生。
ショックではあるけれど
嫌だ嫌だと泣き叫んで親にすがるほどでもない。
お父さんには幻滅したが
そういうこともあるか…と冷静に受け止めた。
「ほんとにしおりには悪いと思ってる。」
「お母さんがいいなら、それでいいよ。」
お母さんは頭を下げた。
「高校は公立を受験してほしいの…。」
「………え……?」
頭の中が真っ白になる。
青蘭はエスカレーター式。
引っ越しや留学等の理由がある生徒以外は
大抵の高校まではそのまま上がる。
うちは特別裕福というわけではなかったが、
一人っ子で
父親が銀行マンという比較的安定した職業のため
そして何より母の希望で小学校から私立に入った。
大学は外部受験して短大でもとは思っていたが
まさかの今?
中学3年。すでに7月。
違う。そんなことじゃない。
遼に会えなくなるの?美幸は?
小学校からの友達は?
「青蘭にはもう行けないってこと…?」
「しおりはお母さんについてきてほしい。」
「もちろんだよ!当たり前じゃない!」
お父さんと他所の女の人と一緒になんか住めるもんか!
そんなことを言うお母さんの意図が全くわからない。
「お父さんは多少の生活費はくれると思う。
でも自分の生活費と私たちの生活費。
実際問題この先どれだけ払う能力があるのかわからないのよ。
降格になると思うし…
もちろん、お母さんも働く。
でも今まで専業主婦でこの年じゃパートぐらいしか職がないかも…
貯金もあるけど、お父さんがある程度…使ってたみたいで…思ったより無かった。
まさかしおりが在学中に…
こんな早くにこんなことになるなんて…」
お母さんは泣きはじめた。
青蘭はこの辺りでは有名な私立。
授業料も高い。
高校に行くと尚更。
泣きながら「不安なのよ…」
…もう何も言えなかった。